40オヤジがハマる京都 空想観光地図制作中


今日は自転車のお話ではなく、京都のお話です。
一旦ブームは落ち着いたのですが、一時期、京都の観光本を買い漁っていました。ちょうど2年前の今頃。そう、初夏から梅雨明けまでのこの時期になるとなぜか無性に京都に行きたくなります。確かに祇園祭までの間、町の雰囲気は華やぎ、鱧や鮎といった京都らしい食べ物が旬を迎え、鴨川に床が並び、茅の輪くぐりが趣のある夏越の大祓いもこの時期です。あぁ、京の空気を思いっきり吸いたくなってきた。どうして、この時期になると京都に行きたくなるのか?不思議です。




40オヤジがどうして京都にハマったのか?

生まれは大阪、今は神戸に住んでる僕は行こうと思えば、いつだって京都に行けました。でも、学校の遠足や遠くから友達が来た時ぐらいしか京都に行かなかった。大阪や神戸の方が刺激的で楽しかったのです。いつでも行けると思ったら、逆に行かないもんなんですね。そんな僕が40過ぎて、どうして京都にハマりだしたのか?きっかけはこれです。


この番組に出会ったのは5年ぐらい前だと思います。当時、会社の席の隣に2つほど年下の生粋の京都人が座っておりまして、趣味など共通の話題も多く、よく話もするし、盛り上がるんだけど、心底打ち解けることができない。上辺だけの付き合いというか、腹を割って話せないというか、愛想はいいけど本心はわからないという、まあ典型的な京都人です。彼ともっと仲良くなれたらなぁと思っていたところ、番組表でふと目についたのがこの番組。特に期待もせずに見たのですが、番組の中では京都人の気質がものの見事に表現されており、京都人のことを理解していたつもりの僕が知らなかったことばかりで、知的好奇心をギンギンに刺激されました。普段はそれほど、テレビを見ない僕が録画した番組を何度も見返すほどハマりにハマりました。

番組としての位置付けはドキュメンタリーなのですが、所々挟み込まれるミニドラマが素晴らしい。中でも常盤貴子演じる老舗和菓子屋久楽屋春信の若女将沢藤三八子を軸にした物語は本当によくできている。そして、着物姿の常盤貴子はとてつもなく美しい。京都で修行中の若者たちをテーマにしたシリーズ2のBlue修行中で老舗料亭の女将として登場する高岡早紀もとめどなく美しい。京都という町は着物姿の女性を愛でるにはこの上ない場所なのだと感じざるを得ない。これから京都に行こうと思っているすべての人に見て欲しい番組です。



近くて遠い京都

録画した「京都人の密かな愉しみ」を見るたびに京都への想いは募り、行きたくていても立ってもいられなくなるのだが、ここ数年、数えるほどしか足を運べていない。子供たちの受験時期と重なり、家族で出かけることが極端に減ったこともあるが、京都は家族で出かけるには少々敷居が高い町である。

地下鉄にJR、阪急、京阪、京福電鉄とそれなりに電車が走っているが、ピンポイントで目的地に行こうと思うとバスとなる。しかし、近年海外からの観光客増加の影響でどのバス停でも満員のバスを2、3本見送らないと乗車できないのは当たり前。ただでさえ、市内の交通の便がよくない京都の交通事情は悪化している。寒い時期でなければ、自転車でのんびり周るのが得策だが、京都の狭いを道で家族4人が自転車を連ねるというのは難しいものがある。つまるところ、車で出かけて円山公園の地下の駐車場に止め、祇園あたりをブラブラするのが関の山というのが実情。

となると、こっそり一人で出かけてやろうと思うのが男の性。最近は時間があるとグラベルロードに乗るのを優先しているので、なかなか休日に時間が取れません。となると、仕事帰りに京都へ直行というプラン。まだ実現できていないけど、いつかはやってみよう。でも、願わくば、陽の高いうちから、ちょこっと飲んでほろ酔い気分で古都を散策してみたい。という感じで、関西に住んでいても近くて遠い京都かな。


頭の中で京都観光?空想観光地図制作中

京都に行きたくなる

京都本を買い漁る

京都への想いが募る

京都に行けない

京都へ更に行きたくなる

京都本を更に買い漁る

京都への想いが更に募る

京都に行けない



以降、無限ループ

現在はこのような負のスパイラルの真っ只中です。情報をインプットするばかりで、それをアウトプットする現場に行けないため、頭がパンクしそうになってます。そんな欲求不満を解消するため、夜な夜な京漬物をアテに日本酒を飲みながら、「京都空想観光地図」なるものを作っています。


京都本やテレビなどで気になったお店や場所、イベントをグーグルマップのマイマップにプロット。いつかは行ってやろうリストみたいなものです。これを見ながら、祇園に行ったら近くのこの店へ、清水から五条へ下ってあの店へなど、他愛もないことを空想しているのですが、それがこの上なく楽しい。まあ、40オヤジの戯れ事ですが。

こんなことをしていると、京都に住めばいいのでは?と考えはじめ、家族に提案してみたものの、一刀両断で却下。全員反対でした。京都は観光で行く場所で住むところではない、京都人と上手くやっていくのは無理など、辛辣な意見が。まあ、実現できるとしたら、家族に愛想を尽かされ、自由になった頃でしょうか。憧れはこちらのブログの方のような生活。朝早くに誰もいない静謐な寺社仏閣に赴き、素晴らしい風景を写真に収める。ただそれだけ。


最近、私の京都への恋煩いは東京出張の帰りに京都で途中下車してやろうかと考えるほどの末期症状になりつつありますが、しばらくは頭の中で大人しく空想観光を楽しみます。最後は渚ゆう子さんの京都慕情でお別れです。京都、なんと蠱惑的な響きを持つ名か。



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