ロードバイク初心者がサドル沼の深淵を覗いて考えてみた

今回はロードバイク初心者の僕が危険だからずっと近寄らないようにしていたサドル沼の深淵を覗いてみたお話です。

ことの発端はこちらの記事で書いたようにマイグラベルロードのレネゲード号のカスタム計画がスタートしたこと。


そして、今年のサイクルモードライド大阪で素晴らしいサドルに出会ったこと。


この2つの出来事が小心者の僕の背中を押し、恐る恐るサドル沼の深淵を覗くきっかけとなったのです。

では、はじまり、はじまり。




ロングライドでのケツ痛対策

ジェイミスレネゲードについてるサドルはオリジナルのサドル。パッドがそこそこ入っていて、センターには尿道の圧迫を避ける溝がある穴あきタイプ。普通に乗っていれば特に不満はないのだけど、ロングライドで100キロを超えたあたりからかなりケツが厳しい状況に陥る。

これにはいつくか原因があって、アップライトなポジションのレネゲードだとお尻に荷重がかかる傾向にあること、そして疲労とともに腕や足に分散していた荷重がお尻に集まること、あとは安い中華製のサイクルパンツを履いてること…などなど。

原因はある程度わかっているので、サドルを変える以外にできる対策もあるんだけど、今回は怖いもの見たさもあり、数々のローディーたちを引き摺り込み、そして飲み込んできたサドル沼の深淵を覗いてみることにする。つまり、サドル交換を検討してみる。


サドル沼からの使者たち

ある日、僕はサドル沼の深さを探るべく、沼の底めがけて石を投げてみた。僕の投げた石は真っ黒な暗闇に音もなく吸い込まれていくだけで、いつまで経っても水面を打ち付ける音が返ってくることはなかった。

インターネットでロードバイクサドルをググってみたが、あまりの数の多さに何を基準に選べばよいのかすらわからない。サドル沼の深淵にたどり着くのは相当困難を極めそうな予感。とりあえず、サイクルモードライドで試乗したサドルやネットの情報に基づいて良さそうなサドルをチョイスしてみた。僕を誘いにやってきたサドル沼からの使者たちはこんな感じ。

prologo NAGO EVO PAS TIROX

今までのインプレッションで選ぶなら間違いなくこれ!
今年のサイクルモードライドで試乗したKUOTAのKOUGARに標準装備されているサドル。KOUGARについてたのは穴あきではなくて、滑り止めのCPCがついたモデルだったけど、僕はヒルクライムなんかでお尻のポジションを頻繁に変えることもあるので、CPCなしの穴あきモデルだとこれになる。カーボンレールのNACKモデルは軽量だけど予算オーバーなのでTIROXで十分。穴あきモデルにはPASよりも大きな溝のSPACEモデルもあるけど、どっちがいいのかな?

fizi:k ANTERES R3 OPEN 

論理的なフィッティング理論で選ぶならこれ!
フィジークは独自のフィッティング理論「SPINE CONCEPT EVO」があるので初心者でも脊椎の柔軟性+体重と平均速度から導き出す平均パワーをもとに自分にあったモデルを選びやすくなってる。少し体が硬く、体重が60キロちょっとで平均速度が25キロ前後の僕に合うモデルはアンタレス。それの穴あきモデルだとOPENになる。VERSUS EVOっていう革新的なモデルもあるけど、ちょっとパッドが硬めでロングライドならOPENの方が良さげ。ただ、気になるのが「SPINE CONCEPT EVO」アプリのダウンロードができなくなっていること、そして公式サイトからも情報がなくなってる。メーカー自体が脱「SPINE CONCEPT EVO」なのかな?でも、モデル選びの目安にはなるよ。

SPECIALIZED POWER EXPERT SADDLE

評判で選ぶならこれ!
「スペシャのパワーサドルでケツ痛問題が解決しました!」っていうブログやレビュー記事をどれだけ見たことか。これを最初に買えば、一気にサドル沼の深淵にたどり着けるのではないかと思うほどの評判。クリス・フルームだってチームの公式サドルはフィジークなのにスペシャのロゴ消して使っているくらいですから、その評価の程もわかるね。お値段もそれほど高くないのでアリといえばアリ。でも、一度はサドル沼にはまりたいんや、サドル沼で溺れみたいんやというドMな人にはオススメしません。そんなサドル。

prologo DIMENSION NDR T4.0

見た目で選ぶならこれ!
先に紹介した3つが本命ですが、最後にちょっと気になってるサドルを紹介。またプロロゴのサドルですが、こちらはパワーサドルと形状が似ているショートサドル。ディメンションというモデルのエンデュランスバージョン。ちょっとパッドが厚くなってます。そもそもはMTB用に作られたようだけど、もちろんロードにも使えるよ。大きなNDR(エンデュランスって読む)ロゴもカッコよく、アンスラサイトっぽいカラーリングもシブい。ディメンションモデルは人気らしく取扱店では即完売とか。サドル沼と戯れたいドMさんはパワーサドル行く前にディメンションで寄り道してみるのも良いかもね。


深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ

はい、ニーチェの言葉です。いまだ遠巻きにサドル沼を覗いているだけ僕ですが、実はサドル沼の深淵もビクビクしている臆病者の僕を遠くから覗いているのかも知れません。

プロロゴのサドルが気になっていれば、海外通販でセール対象になったとの情報が。パワーサドルが気になっていれば、ツールやブエルタでパワーサドルを使う選手の映像が。フィジークが気になっていれば、CBNでフィジークサドルの人気投票が行われる。深淵も虎視眈々と僕の心の葛藤を覗き込み、今か今かと僕が淵に足をかけるのを待っているのでしょう。

さあ、勇気を出して飛び込んでみるか?いやまだ時期尚早だ。まずはプロショップでテストサドルをレンタルするのだ。でも、3つもサドルを借りて2週間で100キロテストを3度も実施できるのか?深く暗い沼の深淵が僕の心の中に広がりつつあるのは間違いなさそうです。




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